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令和7年度 常葉大学出版助成による書籍を刊行しました/短期大学部保育科 大村 壮教授


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短期大学部保育科の大村壮教授が本学出版助成を受け、『施設内高齢者虐待の研究: ケアを受ける者と与える者における「自立と依存」の関係性からの検討』(福村出版、2026年)を刊行しました。

施設内高齢者虐待の研究: ケアを受ける者と与える者における
「自立と依存」の関係性からの検討

大村壮(著) 福村出版(2026年3月)
6,050円(税込)ISBN: 978-4571250712

出版情報  施設内高齢者虐待の研究 - 福村出版株式会社
心理・教育・社会学を中心とした学術出版社

(別ウィンドウで開きます)

施設内虐待というのは古くて新しい問題である。静岡県内でも2022年に裾野市の保育園内の虐待が発覚し、2024年には児童養護施設内での虐待も発覚した。高齢者施設内の虐待も毎年報告されている。また、視野を広げれば、学校内での教師による体罰も起こっている。教育機関を含むあらゆる施設のなかでケアをする者がケアを受ける者に対する虐待や体罰が起こっている。誰もがこういった状況をどうにかしなければならないと考えているのではないだろうか。本書は『施設内高齢者虐待』について書かれている。ここで書かれている内容は施設内高齢者虐待にダイレクトに関係するが、それだけではない。本書はケアする者とケアを受ける者の関係性を問うたものである。故に本書のエッセンスは乳幼児や障がい児者、児童にも通じると信じている。
本書は筆者が療養型病院でフィールドワークをやるなかで問いを立ち上げている。フィールドワークしている間に以下のような場面に出くわした。ケア労働者がパーキンソン病を患っている要介護高齢者のケア(オムツ交換)を行なった後、その高齢者に対して「ありがとうは?」と発言した。それに対してその高齢者はたどたどしく「あ、ありがとう」と応じた。この場面は筆者に強烈な違和感を抱かせた。「なぜケア労働者は感謝を求めるのだろうか」、「他の対人援助職、もしくは接客業でこのようなことは起こるだろうか」、そして「なぜこの高齢者は応じたのだろうか」などの疑問が頭に浮かんだ。この疑問が本書における研究の出発点といっていいだろう。ここにはケアをする者とケアを受ける者との関係性の歪みが見て取れる。この歪みは高齢者施設特有の問題ではなく、保育園や幼稚園、こども園でも起こるし、障がい児者や児童の施設においても起こるものである。本書の提言がさまざまな方面に広がっていったならばそれは僥倖の極みである。
なお本書は、常葉大学・常葉大学短期大学部出版助成を受け、博士論文(中央大学:2022年)に加筆修正を行なったものである。

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