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人生の物語を書き続ける限り、“いつも学び”です!


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作業療法士になって、約35年が経ちました。始めの16年は、臨床家として病院で働きました。その後、教員として働き、現在に至っています。
私が作業療法士の養成校で最初に教わったことは、「臨床・教育・研究の3本柱が大切である」ということでした。当時は、まだ日本に作業療法士が誕生して20年ほどであり、臨床が主で研究はこれからだったように覚えています。
恩師からは、ことあるごとに、この3本柱の重要性を言われました。そのためか、病院に勤め始めすぐに、臨床の場で“疑問”に思ったことを“解決”するための「研究」が始まりました。患者さんからデータを取っては、学会発表をする、そんな「臨床と研究」が始まりました。またそれと同時に、後輩の育成も重要で、臨床実習指導者となり臨床の場で「教育」も行うようになりました。
その時はじめて、恩師が日頃言っていた「臨床・教育・研究の3本柱」の意味が分かるようになり、臨床の場で働くことの重要性をつくづく感じました。
以前の研究(臨床の場)は、患者さんのことを中心に展開していましたが、教員になってからは、学生教育で“疑問”に思ったことを“解決”するための「研究」が主となりました。“実技系演習科目の学び方”や“学び合いの教育方法”などから始まり、最近では、学生が臨床の場で感じる“急性ストレスについて”研究しています。
ストレスという概念は、もともと工学領域の用語でしたが、20世紀初頭にWalter B Cannon が、現在のストレスと同じ概念を医学的に用いました。一方Hans Selyeが最初にストレス学説を唱えました。それは、HPA系(視床下部―下垂体―副腎皮質系)とSAM系(交感神経―副腎髄質系)と免疫系システムの発見です。こうして今では、みなさんが日頃使っている用語として定着しています。
急性ストレスは、動物実験や人体実験によって、心理学的、生理学的、生化学的、遺伝学的メカニズムなどが徐々に分かってきています。
現在は、唾液から放出される生化学物質(バイオマーカー)を採取し分析し、ストレスの度合いを測ることができます。
私は、学生さん達が臨床実習で感じるストレスを、これらを用いて測定し、「少しでもストレスの軽減につながる対処方法がないか」と考えています。学生さんとの関わりの中で、この急性ストレスの対処方法に興味を持ちました。この対処方法が、広く社会の中で人々が感じているストレスを、少しでも軽減できる方法へと繋げていけることができればと考えています。
急性ストレスから慢性ストレスに移行する過程や慢性ストレスの対処方法など、ストレスひとつとっても研究する課題は多いです。
先人が行ってきた研究(先行研究)からバトンを受け、一つ一つの研究を積み重ね、少しでも新たな発見につながればと考え地道に行っています。

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