グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



環境と健康


ホーム >  教員コラム >  環境と健康

化学物質による環境汚染が我々の健康を蝕むことは広く知られています。1996年、Theo Colborn博士は著書『”Our Stolen Future” 奪われし未来』の中で、野生生物の減少をもたらした最大の原因は外因性内分泌撹乱物質(環境ホルモン)が後天的に生殖機能の障害をもたらしたことにあるという仮説を提唱し、さらに環境ホルモンがヒトにも生殖障害を引き起こしている可能性にも言及しました。その後の多くの研究の結果、環境ホルモンの一つであるダイオキシンが、ヒトの発癌・免疫不全・発達障害・不妊等、広範に重大な障害を与えることが示唆され、現在ではダイオキシンをはじめとする環境ホルモンによる障害は、女性ホルモンであるエストロジェンの作用が増強されたり、逆に減弱されたりすることによって発現することが明らかになってきました。
この『奪われし未来』は私に大きなインパクトを与えた書であり、その後の私の研究に大きな影響を及ぼしています。私はこれまで、ダイオキシンの毒性発現機構及びエストロジェンによる細胞増殖調節機構の解明、農薬曝露のモニタリングシステムの構築などの研究に携わってきました。
それから20年ほどが経ち、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが起こり、世の中はこのウイルスに翻弄されています。実は、未知のウイルス感染症も環境問題とは切り離せません。人類は生活範囲を拡大するために森林を伐採し、自然の奥深くまで入り込むようになり、野生生物との不適切な接触機会の増加につながっています。そのことにより未知なる病原体に遭遇するリスクも増えているのです。つまり、自然と自然が提供する恩恵を保全し維持することは、ヒトの健康と福祉を維持するために不可欠であるということです。
ヒト、動物、環境(生態系)の健康(保全)は相互に関連して成り立つものであり、それぞれの健康(保全)を担う者が協力関係を構築し、その健康を維持・推進しようとする「”One Heath”(ワン・ヘルス)」という考え方があります。社会環境学部で学ぶ学生には是非この一役を担ってもらいたいと思っています。

タイでの調査研究

富士・箱根・伊豆 国際学会 2022 FHIXフォーラム


ページの先頭へ戻る