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小学生が学校に行かないことは「問題あり」?「問題なし」?


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2019年5月5日の『琉球新報』の記事で、10歳(当時)の小学生が「不登校は不幸ではない」と語り、「学校に行かないこと」を堂々と宣言し、波紋を広げたことがありました。さて、ここで問題です。この日本において、小学生が「学校に行かないこと」は「問題あり」と思いますか。「問題なし」と思いますか。
答え合わせをしましょう。小学生が「学校に行かないことは問題であり、問題ではない」ということができます。
「問題あり」とした場合の根拠は、「就学義務違反」に当たるということです。義務教育という言葉を聞いたことがあると思います。これは日本国民(保護者)が、その保護する満6歳から満15歳までの子どもを学校に通わせて、教育を受けさせる義務のことです(子どもが学校に通う義務のことではありません)。日本では、原則的に、学校教育法第1条で定めている正規の学校でなければ義務教育を受けられないことになっています。保護者には、子どもを正規の学校に通わせ、義務教育を受けさせる義務があります(就学義務)。不登校は、学校に行けないこと/行かないことを指しますので、その間、義務教育を受けることができません。これは就学義務のルールに違反しているので「問題あり」と考えるのです。
他方、「問題なし」とした場合の根拠ですが、2016年9月に、文部科学省が、全小・中学校に向けて、「不登校は問題行動ではない」という通知を出していることです。2016年12月には、「教育機会確保法」が国会で成立しました。この法律は、不登校の子どもの義務教育を保障するための機会確保を目的としています。こうしたことから学校に行かないことは「問題なし」ということもできるのです。
私たちが、健康で文化的に(≒人間らしく)生きていくためには、教育を受けることが不可欠です。学校に行くか、行かないかではなく、どのように「教育を受ける権利」を保障し、実現していくのかということが問われています。

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