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神経難病患者さんの外出支援活動に寄り添って


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 私の専門は訪問看護を中心とする在宅看護です。訪問看護では、お年寄りから小さなお子様まで幅広く、ご自宅で医療を必要とする方に看護を提供し、その方が末永く生活をできるように支援を行います。
学生に訪問看護に関する取組みについて、教鞭をとらせていただくとともに、プライベートでは神経難病の患者さんに向けて、外出支援等のボランティアを行っております。神経難病患者さんとの交流は今年で17年目となります。このことについて、当事者の皆さんと語らうと、そんなにも年月が経つのかとお互いに驚く次第でありました。この神経難病患者さんとの交流では、ご自分で旅行を行うのが難しく温泉に入りたいという希望の実現に向けて、ボランティアのメンバーで支えあいながら温泉旅行を企画したりもしました。また、現在の新型コロナウイルス感染症では、感染の予防の点から多くの当事者の方が自宅での生活を余儀なくされております。このような情勢から余暇を含めて外出すること自体が大きな課題となってしまいました。そのような中で、自分たちもオンラインを用いて何か交流活動はできないかと思案し、2021年度からはZoomを用いての交流活動を定期的に開始しました。当初は、参加してくださる皆様もオンラインの交流活動に慣れていないため、接続だけでも一喜一憂する状態でしたが、半年ぐらいもするとメンバーの皆さんの参加もスムーズなものとなり、毎月ごとに開催されるオンライン交流活動でお互いの近況を語り合えるまでになりました。また、この取組みにより移動を困難としていても、どんな遠くに住んでいる方であっても垣根なく参加できることが分かり、神経難病患者さんの新しい交流手段の一つとして用いることができることを学ばせていただきました。この交流活動には、学生も参加させていただき、新型コロナウイルスによって、実習もままならない状況の中、当事者さんたちと疾患を超えて「生活者」として語り合うことも実現いたしました。初めての参加に緊張する学生もおりましたが、回を重ねるごとに本音が飛び出し、実習では到達することの難しい当事者さんの思いを学ばせていただく大変貴重な機会にもなっております。
 このような取組みを通じ、自分自身も神経難病の皆さんと生活の話題や悩みを共有することで、本当に看護師として求められている支援や内容は何であるかと再考し、そのことを次世代の看護師たちに向けて伝えるための機会ともなっております。何よりもこれまでの当事者の皆様との活動を通じてエネルギーをいただいているのも事実です。私の教員活動と表裏一体だった神経難病の方の外出支援活動を今後も継続していきます。神経難病を問わず、当事者の皆さんやご家族の方で外出支援活動に興味を持たれた方は、健康科学部あるいは上田の研究室までご連絡ください。もちろん、活動の仲間に参加されたい方は大歓迎いたします。

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