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食事で高齢者の“生きる”希望を支える


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私の専門は高齢期栄養学です。介護保険施設に勤務していた経験を活かし学生への教育・指導を行っています。
2021年世界保健機関(WHO)の発表では、日本の平均寿命は世界1位、男女平均で84.3歳になりました。世界の中で最長寿国というのは喜ばしいことですが、寝たきりや人工的な栄養で生活されている高齢者もたくさんいらっしゃいます。人は高齢になると身体機能の低下により、様々な場面において他者の助けが必要になります。老化は避けて通ることができない現象ですが、少しでも長く元気に生きるために、私たちには出来ることがあります。
その一つは、しっかり食事を摂ることです。高齢者は硬く繊維の多いものや水のようにさらさらしたものを食べた飲んだりすることが苦手です。食事量が減ったり、食べやすいものばかり食べるようになると栄養不足になって体力が落ち、痩せて元気がなくなります。高齢者にとって一番の楽しみは「食べること」なので、好きなものが食べられなくなることは、生きる希望がなくなることに繋がります。
そこで、食べることが難しくなった方のために、「嚥下調整食」があります。「嚥下調整食」とは、食べる力・飲み込む力に合わせ、段階的に形状や物性を変えた食事を示します。ゆで卵が食べられなくても卵プリンは食べれるといったように、その方の残存機能に合わせた食事が提供されれば、おいしく食べてしっかり栄養を摂ることができます。食事がおいしいと元気が出て生きる希望が湧いてきます。
高齢になっても健康を維持し、自分の好きなことができる老後を過ごせるように、食事の面から高齢者の生きる希望を支えることが、超高齢社会の日本を元気にする一つの対策であると考えています。食の大切さを多くの人に伝えていきたいと思っています。

(普通食)
鮭のクリームソース~人参・ブロッコリー添え~

(嚥下調整食)
鮭ムースのクリームソース~人参・ブロッコリーゼリー添え~


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