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医療現場とスポーツ現場を経て


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医療現場とスポーツ現場を経て、教育の現場に携わり13年目を迎えます。医療現場では、企業内病院で理学療法士(Physical Therapist:PT)として、主にスポーツリハビリテーションの業務を行なってきました。ラグビー、バスケットボール、野球といった球技から格闘技等様々な競技に関わる事が出来ました。スポーツ現場では、社会人の男子バスケットボールチームの専従アスレチックトレーナー(Athletic Trainer:AT)として日本一を掴み、その後、全日本男子チームに帯同しアジア大会にも参加しました。そこで得られたスポーツ傷害への対処法やチームビルディングの考え方は、その後の研究や教育への財産となっています。
研究では、対応する事の多かった足部疾患のトレーニング方法や外乱からの影響に関して検証してきました。足関節捻挫(靭帯損傷)後の特徴的所見として診られる、足根洞痛と徒手的不安定性の有無に着目し、底屈時の拮抗筋である前脛骨筋の作用に興味深い結果を得ることができ、足部の安定性には、底屈時でも前脛骨筋の恒常的な作用の必要性を確認しました。これはカリエの運動学の面から前脛骨筋が距骨に対して脛骨の前方滑動(剪断力)を抑制させ安定性を保つという理論を支持するものとなりました。しかし、非荷重位であるため、実際のスポーツ動作に多い荷重位での研究が必要と考えています。また、 臨床上、脛骨の捻れの指標となる果部の捻転が足部やその上部の運動器へ運動連鎖として影響を検証し「果部捻転角計測の検者内・検者間信頼性」「果部捻転角計測の信頼性」を測定値と同じ単位で表す「絶対信頼性」を実用可能な誤差の範囲から意思決定できる角度の実効値を求め、三次元動作解析システムと角度計を比較し、一定の妥当性が確認しました。これらを元に「果部捻転角の左右差によるスポーツ傷害の傾向」を、果部捻転角の計測とアンケート調査をした結果、果部捻転角の増大側に傷害発生が多く占めていました。このように、スポーツ現場で行なってきたスキルの検証を行い、傷害の予防や予知に結び付く新規性のある知見を探っています。
教育では、今までの経験則や検証を元に、主に医療機関で活動するPTの育成を経て、現在は一番スポーツ選手の傍に寄り添うATの教育に役立て、社会に貢献出来る人材を育てたいと考えています。また、ATとして知識は、資格取得以外としても教職や健康産業等に関わる職種の教養として教育としても重要と考えます。より安全で安心な教育現場、より長く健康寿命を延ばすためにも必要だと思います。
学生が大学生活の4年間で最良の学びを可能にする為にも、学内での知識や技術の習得のみならず、人間としての成長をサポートすることも重要だと思っています。

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