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日本疲労学会誌へ「ストレスによって生じる痛みの発症メカニズムに関する総説論文」を発表しました/安井正佐也講師


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健康プロデュース学部 健康柔道整復学科の安井正佐也 講師が、日本疲労学会誌へ「ストレスによって生じる痛みの発症メカニズムに関する総説論文」を発表しました。
過度なストレスや疲労は、身体に持続性の疼痛(慢性疼痛)を発症させます。中でも慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎や線維筋痛症と呼ばれる疾患は社会生活が送れなくなるほどの慢性的な強い疲労感や病的疼痛を生じさせますが、現在の医療検査において身体の炎症などの所見が見つからないため、診断も非常に困難です。
しかし、身体に炎症などが見つからない場合においても、慢性疼痛を発症して社会生活に不利益を生じている方は少なくありません。健康柔道整復学科の安井正佐也講師は名古屋大学や九州大学の研究チームと一緒に、ストレスを与えたラットにおいても、ヒトと同様な慢性疼痛を発症することを明らかにしてきました。
これまでに明らかになった動物実験の結果では、ストレスを与えたラットには、姿勢を維持する筋(抗重力筋)の持続的な緊張が生じ(1)、筋の張力を入力するセンサーとして働く固有感覚ニューロンが過活動になり(2)、その結果として脊髄後角のミクログリアが活性化して(3)疼痛を発症することを明らかにしました。また、持続的な固有感覚ニューロンの入力は反射弓を介して運動ニューロンを興奮させる(4)と同時に脊髄前角のミクログリアも活性化させること(5)を明らかとしました。
つまり、これらの反応は反射弓を介して繰り返し生じることが予想され、更に症状の悪化を招くことが示唆されます。
ストレスによって誘発される痛みはこれらの一連の反応が繰り返し絶え間なく続く事による結果として生じている可能性があるため、一刻も早くこの悪循環を断ち切ることが必要です。筋の過緊張を取り除くための徒手療法や物理療法はこれらの痛みを取り除くための手段として有効かもしれません。

日本疲労学会誌

固有感覚の過活動に起因する慢性疼痛の発症メカニズム
安井正佐也, 若月康次, 木山博資
日本疲労学会誌 16(2) 1-8 2022年3月


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