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人生100年時代-老年学とは? 


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厚生労働省は2017年12月「人生100年時代構想会議 中間報告」をまとめました。
これによれば、2007年に我が国で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されており、日本は世界一の長寿社会を迎えています。
「老年学」を英語ではジェロントロジー(gerontology)といいます。これは1903~1904年頃に免疫学者のイリヤ・メチニコフによって創られた言葉です。
老年学は120年程の歴史しかない新しい学問ですが、人間の加齢変化や社会に内在する問題を研究し、医学・生物学・心理学・社会学・社会福祉学などを中心として高齢社会のあらゆる課題を解決しようとする学問で、その内容は極めて学際的です。
「老年学」に近い学問に「老年医学」がありますが、後者の内容は主に高齢者の健康(医学)に限定されています。しかし「老年学」は、高齢者の健康と福祉、社会参加、衣食住とその条件整備、年金、メンタルケア等、守備範囲を広くした研究分野です。高齢者の平均寿命が延び、元気な高齢者も増加してきたため、社会参加、生きがい、ライフワークなどを中心としたクオリティ・オブ・ライフ (生活の質)なども重要なテーマになりつつあります。すなわち、「老年学」は様々に細分化された学問を再統合する役割をも担っています。
老年学は、平均寿命が延び、子供の出生数が減少し、老年期に関連する諸問題が明らかとなり、多様化し始めてから急速に発展してきました。特に人口の高齢化が類を見ない速い速度で進展している日本の研究が、世界をリードしています。現在では、ヨーロッパやアジアの諸国においても高齢化が進んでいます。今後、わが国だけでなく、世界中でこの学問の重要性は更に高まっていくことと思われます。


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