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「なにも準備しないと二人は、同時に親になれない」


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保健所・児童相談所の勤務の経験の中から児童虐待予防には、夫婦関係が良好なことが最も大切だと感じてきました。子どもが生まれる前から親になる準備の学習が必要だと思っています。若いみなさんも、もう数年~10年くらいの間に親になるときがくると思います。
恋人時代、夫婦ふたりだけの時代は、ラブラブだった夫婦関係が、子どもが生まれると2組に1組は夫婦関係が悪くなるって知っていますか。離婚全体の数の中で、出産後2年目がもっとも多いって知っていましたか。
出産を経て女性は、母親に動物として自動的になっていきます。自分の体の中で育ってきた命が出てきて、その命を育てるようにプログラムされています。ホルモンバランスが変わり、おっぱいが出て、毎日、夜、2時間おきに起きる赤ちゃんにおっぱいをあげなければなりません。その毎日の赤ちゃんへの献身で女性は徐々に「母」になっていきます。ところが、男性は、生んでもいませんし、おっぱいもでません。
男性が一人の男から「父」に移行していくスピードと、女性が「母」になっていくスピードがずれるのです。そこに大きな危機が潜んでいます。この危機状態のことを「産後クライシス」といいます。
育休は、子が1歳になるまで、両親そろってとることもできます。給料の約6割が保証されます。育休が無理であれば、せめて、お子さんが4か月になるまで、毎日、定時で家に帰りましょう。多くの女性が最初の3か月がとくにつらかったといいます。その時に、帰ってきてくれない夫、わかってくれない夫がいると、なお、つらいといいます。この状態が続くと多くの妻は、夫をあきらめはじめ、夫を子育てのパートナーとみなせなくなります。
筆者は親になるための学習の機会として「親になるための講座」を実施してきました。これらの産前の講座などで学べば、この問題はある程度防ぐことができます。二人で親になるための意識をもつ学習をしましょう。

 参考図書 「ふたりは同時に親になる」狩野さやか(猿江商會)
      「産後クライシス」内田明香・坪井健人(ポプラ新書)

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