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医療における柔道整復師のポジショニング


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私の研究分野はバイオメカニクスで、三次元動作解析装置を用いて慢性腰痛者の動きを分析しています。また長年、医療機関で運動器疾患や外傷(骨折や脱臼などのケガ)患者を柔道整復師の立場からみてきました。

柔道整復師と聞いて「何をする仕事なの?」と思う人は多いのではないでしょうか。一言でいえば外傷管理のプロフェッショナルです。しかし、医師や看護師、理学療法士などと比べ認知度は低く、残念ながら医療において柔道整復師のポジショニングは上手くいっていないのが現状です。なぜ上手くいかないのでしょうか。医療現場に必要とされていないから…そうではありません。私は16年間、柔道整復師として医療機関に関わってきましたが、外傷管理において柔道整復師の存在は有用だという実感があります。

ではなぜポジショニングが上手くいかないのか、その原因のひとつは「考える力」が養われていないからです。多くの医療従事者の養成機関で行われている臨床実習では「分析・評価(assessment)」することを重要視しています。その結果、学生時代から臨床現場で必要な「考える力」を養います。しかし、柔道整復師の場合、それぞれの養成機関で行われている臨床実習の内容が統一されておらず、残念ながらその質も一定ではありません。「分析・評価(assessment)」する習慣もなく、その結果「考える力」が養われず、治療計画を組み立てることのできない柔道整復師が育ってしまいます。これではいくら技術があっても、その能力を患者に還元することはできません。

私が13年間、教育現場で実践してきた教育方針の根本には「臨床で必要とされる柔道整復師の育成」があります。
医療現場で柔道整復師がその技術を患者に還元するためには、必ず「考える力」が必要になります。私が今まで培ってきた臨床、教育での経験を生かし、「考える力」を養ってもらい、医療の一翼を担う柔道整復師に育ってもらうサポートをするため2022年4月に本学へ着任しました。本学にはそれを実現するポテンシャルがあります。一緒に「医療で必要とされる柔道整復師」を目指しませんか。

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