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理学療法に技術と科学の融合を


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皆さん、理学療法士という職業も比較的メジャーになり、我々の仕事も数十年前と比べれば随分理解されるようになってきました。昔は、理学療法士が病院の職員というのは知られていても、何をする人なのかわかってもらえず、マッサージ師さんとよく間違えられたものでした。今や理学療法士という職業が認知され社会に広まると共に、その仕事の内容もどんどん変わってきています。病院の中での臨床活動は勿論ですが、現在では退院後の在宅での介護保険サービスの一翼を担い、疾病の予防や介護予防事業への関わりなども増えて様々な分野に広がりを見せてきています。
ところで、我々の職業は人間を相手にして徒手で治療をすることが多く、その技術を学ぶには主観的で曖昧な場面も多いので、技術修得には工夫が必要です。新しい領域へ進むにあたり、色々な評価法や治療法を客観的に示す必要性は以前にも増して高まってきています。また同時に、ここ数年で生体センシングを支える素子やセンサー類が高機能化し価格も手ごろで一般にも普及するようになってきました(例、スマホのジャイロセンサー等)。このような工学技術の進歩をうまく技能教育に取り入れて、より客観的な結果を示せる教育を導き出すのが私の研究のテーマです。
現在は指圧のシミュレーターを作製し、曖昧で評価のしにくい指圧技能を客観的に表すシステムの開発を行っています。この他にも、温度センサーで温熱療法の効果を調べたり、ヴァーチャル・リアリティ技術を使って運動の効果を調べるなどが最近の課題です。曖昧で目に見えにくい技術を客観的に「見える化」するのは大切なことなのです。加えて新型コロナウイルスなどのように目に見えない感染症の脅威に対抗するために非接触の技術が今後さらに浸透していくことでしょう。これからは技術と科学が今まで以上に融合して、よりわかりやすい結果を求められる時代になっていくでしょう。
私の心がけていることは、オーソドックスな理学療法士を育てるのはもとより、時代の変化に合わせて、ここにあるような技術と科学を上手く取り入れて未来を切り拓くことのできる一歩進んだ理学療法士を育てることです。

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