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私の研究


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United Nations Conference on Trade and Development (2011)はfootloosenessという論点をとりあげています。ここでfootloosenessとは、ある地域から他の地域へ活動拠点を移転shiftする容易さを意味します。
またUnited States Department of Justice(1992)やEuropean Commission(2004)は、たとえ市場集中度が高くても、埋没費用が低く参入・退出が容易でありさえすれば、自由競争が保証されているという議論を前提としています。
私の問題意識は、埋没費用の引き下げは、先進国企業のいかなる動機のもとですすめられるか、埋没費用の引き下げは、途上国の従業員にいかなる影響を与えるか、という点にあります。
この問題への私のアプローチの独自性は、固定費の変動費化の傾向に着目するという点、商業銀行による証券業務への参入の傾向に着目するという点にあります。
証券市場の投資家と労働現場の従業員の「協同」関係という問題は、古くからあります。たとえばすでにマーシャル(Alfred Marshall,1842–1924)は、成功した企業の稼得は、ある一部は、雇用する側の主体によって生み出されたものであり、他の一部は、雇用される側の主体によって生み出されたもの、すなわち合成準地代(composite quasi-rent)であると議論しています。そしていまも準地代(quasi-rent)は、国際経営論、企業金融論の専門領域では中心的な概念です。

(1) United Nations Conference on Trade and Development (2011), World Investment Report 2011: Non-Equity Mode of International Production and Development, United Nations Publication. https://unctad.org/en/publicationslibrary/wir2011_en.pdf.
(2) United States Department of Justice,(1992),Horizontal Merger Guidelines, Issued April 2, 1992; revised April 8, 1997. https://www.justice.gov/atr/horizontal-merger-guidelines-0.
(3) European Commission,(2004),Guidelines on the assessment of horizontal mergers under the Council Regulation on the control of concentrations between undertakings,2004-02-05. https://op.europa.eu/en/publication-detail/-/publication/14f16a94-fefa-4732-b0be-375860f63be3/language-en
(4) Marshall,Alfred,(1890/1920),Principles of Economics,Macmillan, 1st ed. 1890,8th ed. 1920.

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