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心理師のファッション


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「おしゃれ」とは全く縁遠い人間です。ただ、学生には授業で人間のコミュニケーションにおける「非言語」の重要性を伝えています。「非言語」とは表情や、声のトーン、服装や髪型のような「言語」にならない情報のことを指します。“目は口程に物を言う”なんてことわざもありますが、心理学にも言葉の内容そのものよりも非言語的情報のほうが他者に伝える情報量が多いという研究結果があります。アメリカの心理学者、アルバート・メーラビアンが提唱したことからメーラビアンの法則と呼ばれます。メーラビアンは、他者に与える印象の合計を【100】として、〈言語情報〉(話される内容など)は【7】、〈聴覚情報〉(声の大きさやトーンなど)は【38】、〈視覚情報〉(見た目や表情)は【55】という数値を見出しました。
心理というと、目に見えないものという印象が強いかと思いますがメーラビアンの法則によれば外見が大事になってくると言えます。
ここで大事なことは、(話す内容)や(声の大きさやトーン)というものは意識してもなかなか変えられるものではありません。ただ、他者に与える印象としての(見た目)はすぐに変えられます。服装を変える、髪を切る、ネイルデザインなどなど、意識して変えられるものです。
 私は、心理学のなかでも「臨床心理学」という心の問題を抱えた人々を支援する学問を専門にしています。患者がカウンセラーに対してどのような印象を持つかということは治療の大事な要素となります。精神科病院で勤務していた際は、白衣を着ればよかったので楽でした。スクールカウンセラーとして勤務した際は、白衣はないので毎回同じ白いシャツとズボンを着ていました。個人的には、毎回同じファッションで患者の前にいたいと思っています。自分の問題を話しにきてくれる方に余分な刺激を与えたくないからです。また、毎回同じファッションで仕事をすることで、自分自身をなるべく同じ精神状態に保つことに寄与するのではないか。そのことで患者の変化に気づきやすくなりたいという思いもあります。ただでさえも、目に見ないものの変化を追いかけていくなかで、目に見える部分はいつも変えずにいた方がいいんじゃないかと思うわけです。


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