グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



法学部でコーヒーを飲む


ホーム >  教員コラム >  法学部でコーヒーを飲む

法学部教員である私の専門は、じつは経済学です。出来て10年ちょっとの常葉大学法学部では、経済学を必修とする全国的にも珍しいカリキュラムを用意しており、その関係で私は本学部にご縁ができました。静岡に住むのは初めてで、法学部は敷居が高いイメージだったので期待と不安が半々でしたが、自己紹介で熱弁してしまったコーヒー愛に同僚たちが食いついてくれたおかげで新生活に最高のスタートダッシュを切ることができました。そこから2年経ち、コーヒー会を私の研究室で行うのが恒例行事になり、お昼休みには事務職員さんも飲みに来てくれる日々です。

そんなフワフワした話とは裏腹に、コーヒー産業は本学法学部で学べる三種の神器、法・政治・経済の知識を総動員する面白い研究対象でもあります。コーヒーはコーヒーベルトと呼ばれる赤道付近の国々で、世界中に流通するほとんどのコーヒーが生産されます。これは静岡市ではおなじみの蕎麦と似ていて、朝寒く昼暑い熱帯地域の高山では身の引き締まった良質なコーヒー豆が採れるからなのだそうです。ただ、そうした国々はいずれも発展途上国であるため、その国々の発展とビジネスの両立を目指して業界団体と国連(UNCTAD)が協力し合ってできたのがCup of Excellenceという国際品評会なのです。ここで勝ち上がった農園はオークションにかけられ、毎年世界中からバイヤーが訪れ、高値の取引が可能となります。国単位から農園単位へ、シングルオリジンという発想ですが、これにより生産者たちには頑張る意欲が生まれました(スーパーで、顔の見える高品質な野菜と産地のみわかる野菜の価格を見比べてみてください)。近年、特許権保護を理由に他国に自国の品種を持ち出すことを禁じる国が出てきて、外交摩擦が懸念されるところです。

どうです、法学部でコーヒーを飲んでみたくなりましたか?今年度はこのお話を公開講座で扱おうと思っています。

ページの先頭へ戻る