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令和5年度 常葉大学出版助成による書籍を刊行しました/中村俊彦准教授


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本学保健医療学部作業療法学科の中村 俊彦准教授が本学出版助成を受け、『身体障害者への職業リハビリテーションの実践史 ―戦後から高度経済成長期までに労災病院が果たした役割―』(文彩堂出版、2024年)を刊行しました。

身体障害者への職業リハビリテーションの実践史
-戦後から高度経済成長期までに労災病院が果たした役割-

中村俊彦(著) 文彩堂出版 2024年3月(非売品)
ISBN:978‐4‐911144‐77‐0 C3036

職業リハビリテーション(以下、職リハ)が、医学的、教育的、社会的リハビリテーションの各領域と異なる点をあげるならば、その時々の社会・経済状況との関連性がとりわけ強いことが考えられます。筆者は、作業療法士として、新卒時から身体障害領域のリハビリテーション医療に約10年間従事した中で、先天性および中途身体障害者の職業能力の評価や開発に関わる作業療法を担当する機会が多々ありました。 その中での企業への視察、意見交換などは貴重な経験になりました。この臨床経験が本書の着想基盤を形成し、その後、学生教育に従事する中で合計30年超にわたる調査、研究につながっています。
本書の意義を3点述べます。1点目は、わが国における身体障害者への職リハの歩みを様々な視座から考察し、オリジナリティある時期区分を設定したことです。2点目は、職リハを医療福祉の領域に留めず、社会経済的な観点でも、その歩みを示したことです。3点目は、身体障害者への職リハの実践例として労災病院にスポットを当て、当時の先進的な取り組みを考察したことです。
本書は歴史的研究であることから、まずは身体障害者福祉法(1949年)の制定や戦中戦後の傷痍軍人施策を例に当時の調査文献等をもとに考察を行いました。次に高度経済成長期における産業発展と社会的動向に着目し、職リハの実践を支えた法制度を含む社会環境の変化を論じています。また、労災病院等での職リハにつながる実践を取り上げ、「実践」というキーワードに焦点を当てる意味で、九州労災病院が果たした役割にも着目しました。わが国の(先進諸国と比較すると)そう長くはないリハビリテーションの歴史において、身体障害者への職リハの実践は、現代へと続く「リハビリテーション」を形成する過程において、注目すべき一側面を担ってきたことが読者に少しでも届けば幸いです。
本書は、常葉大学出版助成を受け、博士論文(聖隷クリストファー大学大学院社会福祉学研究科:2022年度)の研究成果に若干の加筆を行ったものです。研究的資料として、本学4キャンパスの図書館をはじめ県内のリハビリテーションや福祉に関連のある大学図書館等に寄贈させて頂くこととしました。


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