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Vol.16


新型コロナウイルスと子育て

新型コロナウイルスは私たちの生活のあらゆるところへ大きな影響を及ぼしている。しかも長期化しそうである。

「子ども」に及ぼす影響に問題を絞ったとしても、子どもの心のケアは教育の保障など、様々な問題が生じてきている。

3月に突然の学校の一斉休校要請が国から出された。どの家庭でも、家で子どもと過ごす時間が増え、急遽仕事を調整して休んだり、在宅ワークに働き方を変えるなど対応に追われたと思う。一方子どもは突然の休校に戸惑いつつも、長期化すればするほど、ストレスになり、様々なSOSを発するものの、親もどうしていいかわからず、思わず子どもに怒鳴ってしまったりすることもあったのではないだろうか。

筆者のところには、幼児期のお子さんをお持ちのお母さんから毎日にようにSOSが届いていた。幼稚園は自主登園になったが、感染が怖くて登園はさせたくない、でも家にいると「きちんとしていない」息子にイライラし、怒鳴ってしまう、そんな怒鳴ってしまう自分をどうしたらいいかわからない、そんなSOSだった。

まず「ちゃんとしなくていいのではないか」と提案した。日本人は真面目である。こんな状況でも生活習慣は乱さず、小学校以降なら勉強もきちんとさせて・・・。無理である。非常事態なのだ。まずは、ハードルを下げよう!

次に、どう過ごして良いかわからない、どこにも行けない、家で楽しめることがわからないというSOSもきた。

最近はテレビのニュースで「おうち時間」が紹介されるようになったが、例えば子どもは秘密基地が大好きである。大きなダンボールでおうちを作ってみるのもいいだろう。押し入れの一角を提供してみるのはどうだろうか。小さなテントを買ってみるのもいいと思う。自分の「特別な居場所」があるだけでも、子どもはいっとき、一人で遊んだりそこで心を整えたりできると思う。
お庭があるなら、外でランチするだけでも特別感もあって、親もほっとする時間がすごせる。お天気が良い日なら、100均で模造紙やら絵具やらを買ってボディーペンティングを親子でしてみたらどうだろうか。
自宅の廊下の左右の壁にすずらんテープやゴムなどを張り巡らせ、そこに触らないように潜ってゴール!なんて遊びも楽しい。卒業生からは子どもたちが廊下の壁を手と足を使って登って行きました!とほっとするエピソードを知らせてくれている。

人混みが怖くて公園もいけないという方も多いだろう。でも、お散布していると、意外な穴場があったりするものだ。ハードルを下げて、ゆっくりと空を見上げたり、足元の小さな草花に目をやりながら、普段気づかない自然に癒されてみるのもお勧めである。
執筆者 竹石聖子
短期大学部 保育科  准教授
(専門は教育学)

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