「いのちを守る 防災しずおか」(静岡新聞)に掲載されました/池田浩敬教授

本学社会環境学部長の池田浩敬教授の記事が、静岡新聞に掲載されました。
以下、8月9日(日曜日)静岡新聞の記事です。

海水浴客避難の難しさ

暑い日が続き、海岸には連日多くの海水浴客が詰め掛けている。遠方から来た人など、その地域の土地勘が無い人も少なくない。もし、そうした時に大規模地震に伴う津波に襲われた場合、人々はどのような行動を取るのか―。沼津市のある海水浴場において、当該地区に土地勘の無い学生を集め簡易な実験を行った。
実験は大きな揺れの後、海岸の安全管理をしているライフセーバーから「海から遠くへ逃げてください。高台、高い所を目指して逃げてください」と大きな声で指示があったという設定で実施した。学生に模擬的な避難行動をしてもらい、その経路やかかった時間をGPS(衛星利用測位システム)を使って記録した。
想定では地震発生後20分以内で市街地の一部は水に浸かってしまう。揺れが収まった直後に避難を開始しても猶予は15分程度しかない。被験者の学生には、まず見通しの良い堤防の上などから目に入った内陸の高台を目指した者、同様に高台を目指す途中で「津波避難ビル」の看板を見つけそこに向かった者、海岸からも見えるやや遠い10階建ての高いビルを目指した者、海から離れようといきなり市街地に入ったため見通しが利かなくなって道に迷い15分以内に避難完了できなかった者などがいた。
一方で、津波避難ビルの存在を事前に教えておけば、全ての学生がより短い時間で目的地にたどり着くことができた。このように、もともと持っている情報、その時得られた情報の違いによって避難行動は左右される。
観光客は、市のホームページでも見ることができるハザードマップなどから事前に情報を得ておくことが大切だ。また、彼らを迎える行政や海水浴場にも、看板などのサインにより津波避難ビルの存在や有効な避難経路の情報を提供することが求められている。