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【学長×学生による座談会】ダイバーシティ時代を生きるために私たちができること

「多様性」ってなんだろう。

常葉大学は、10学部19学科を擁する総合大学。幅広い学びの中で、一人ひとりが個性や能力を発揮するためには互いに「多様性」を認め合うことが大切。私たちは、そのためにどんなことができるでしょうか。

個性や能力を磨きながら、 多様な考えを受け入れ、自分 の考えを深め伝えていこう

―男女の働き方、協働社会に向けて

学長 ダイバーシティを語る上で、女性の社会進出という言葉は必ずと言っていいほど登場しますね。かつては「男は仕事、女は家庭」という考え方がありましたが、最近では、男性も女性も協働で家庭を作っていきましょう、一緒に子どもを育てましょうというのが一般的な考え方ですよね。皆さんは、こういった社会の変化を学びの中で感じることはありますか?

水口 看護の世界で言えば、医師と看護師はかつてのような上下関係ではなく、相互に意見を言い合うことができるものになってきていると思います。チーム医療という形で一人の患者のケアには、医師と看護師だけでなく、作業療法士や理学療法士、言語聴覚士など多くの人が関わっています。それぞれが自分の立場から意見を出し合うことで、より精度の高いケアができるようになります。

小島 医療という分野の中でも、それぞれが多様な役割を果たしているんですね。私が在籍している心身マネジメント学科では、学びの幅が広く、アスレティックトレーナーを目指す人や臨床心理士を目指す人、健康運動指導士を目指す人、私のように教員を目指す人など、それぞれの能力や専門性を磨いています。もちろん「女性には向いてない」などと男女で職業を決められてしまうことは一切ありません。

糸川 性別よりも、その人個人の能力を重視していくことが大切ですね。私が警察官を志しているのは、人を守る仕事に就きたいと考えた時に、日本を外から守る自衛隊よりも、内から守る警察の方が自分に向いていると思ったからです。そこで、警察官としての専門性を深めるために防災を学びたいと考え、社会環境学部に入学しました。自分がどのような能力を持っているかを知り、その能力を専門性に結びつけていくことが、誰もが働きやすい社会の実現には必要になってくると思います。

学長 皆さんの話を聞いていると、やはり意識は確実に変わってきていて、性差以前にそれぞれの能力を活かしていけばいいという考え方になってきていますね。専門性という強みを身につけることで、皆さんには未だ旧態的な社会の変革を後押しできる人材になってほしいですね。


―ジェンダーなどの多様化を受け入れる姿勢

学長 先ほどの皆さんのお話からもわかるように、職業選択も性別の枠にとらわれず、多様化しています。例えば、「看護婦」が「看護師」になったのも、職業には性差はないという考えからです。そういった男女間の差異が薄まってきている、という点に注目すると、最近はLGBTなどの性の多様性、ジェンダーが話題になることが増えてきましたね。

糸川 確かに、TVタレントなどをはじめ自分を表現する人が増えているということもあって、性の多様性に対する理解は深まっていると思います。私は私、その人はその人という考え方の人が増えているのではないでしょうか。

水口 一方で、そういった性の多様性を受け入れられないという人もいますよね。私自身も差別的な発言を耳にしたことがあります。受け入れられないことが悪いとは言いませんが、その言葉を聞いて傷つく人はいます。相手を思いやる気持ちを忘れてはいけないと思います。

学長 残念ながら、我々世代の中にも「変わった人」「普通じゃない人」という偏見を持つ人はいます。ですが、皆さんのような偏見を持たない人が増えているからこそ、多様性が一層表出してきているのだと思います。

糸川 いわゆる「男のくせになよなよしている」なども、ある意味では個性だと思うので、その個性を潰してまで男性らしさ、女性らしさを強要するというのは間違っていると思います。性別も個性の一つと捉えればいいのではないでしょうか。

小島 そうですね。自身が教員になった時に、もしそういった男女の性だけで表せない児童に向き合うときは、まずは相手を理解することから始めていきたいです。

―障害のある人にも過ごしやすい社会

学長 ジェンダーもそうですが、多様性を受け入れる姿勢を皆さんは既に身につけていますよね。これはどんな学びの中で獲得してきたものなのでしょう。

水口 そうですね。私は社会福祉の授業で障害について学んだことが一つのきっかけになっているように思います。それまでは障害のある人に対して、自分とは関係のない人たちだと無関心でいました。ですが、彼らを取り巻く環境や制度を学び、「こういうことで困っている人がいる」ということを意識し始めた時、考え方も変わってきました。周りがその人を知って受け入れることが、誰もが過ごしやすい社会につながっていくのだと思います。

小島 私も教員が古い知識のままで、学習障害のある子どもに誤った対処をしてしまったという事例を授業で学んで、知ることの大切さを感じました。障害に関しても研究はどんどん進んでいるので、教育者を目指す身として常に新しい情報にアンテナを張り、全児童が過ごしやすい環境を築くような柔軟な対応が必要になってくると思います。

糸川 過ごしやすい環境づくりには、バリアフリーも必要不可欠ですね。私の通っていた小学校も改装してバリアフリー化する以前は階段が多く、かなり上り下りが大変だったのですが、改装後はスロープやエレベーターができました。今はだんだんそういった配慮がなされた施設が多くなってきているので、障害のある人と一緒に何かができる、という環境は徐々に整ってきているように感じます。

学長 そうですね。しかしその反面、駅のホームから視覚に障害のある人が転落してしまう事故もあり、まだまだ誰もが安心安全に過ごせる社会とは言えません。そう考えると、多様な人が社会で活躍するための環境づくりという点では、まだ遅れているのかもしれませんね。


―終わりに

学長 皆さんの話を聞いて、さまざまな個性を持った多様な人材が自身の能力を活かしていくことがダイバーシティ時代に必要なのだと、改めてわかりました。これから皆さんは、人との関わり合いの中で学び、獲得してきた多様性を、古い考え方に縛られることなく発揮していかなければなりません。

糸川 そうですね。上も下も関係なく、意見を出し合えるようにする価値観の改革が今の社会には必要だと思います。今までの縦社会的な体制を変えることは難しいと思いますが、自身が多様な学びを活かして成果を出し、キャリアアップしていくことで、より良い社会に変えていきたいです。

水口 対象者も多様性に溢れた一個人ですから、それを色々な面から見て判断することができる看護師になりたいと思います。そのためには、人の気持ちを汲み取ることももちろんですが、自分が思ったことをうやむやにせず、きちんと伝えていく力も大切だと、今回話してみて思いました。

小島 私も今回皆さんと話してみて、自分の考えが深まったように思います。自分が目指している保健体育の教員は、やはりまだまだ男性の方が多いのが現状ですが、学科で得た専門的な知識を活かしてがんばりたいです。また、自らが多様な学びの中で得てきたものを、次の世代にも伝えていきたいと思っています。

学長 こうしてさまざまな意見を交わすことによって、異なる価値観を吸収していくことにつながっていくと思います。多様な考えを受け入れ、自分の考えを深め伝えていく。そうして個性や能力を磨くことを繰り返していくことが、ダイバーシティそのものなのでしょうね。常葉大学は10学部19学科の多様な学びを持つ総合大学ですから、学生同士の交流がもっと活発に行われるといいですね。それを基に幅広い考え方を持った人材を育て、地域貢献をしていくことが常葉大学の役割でもあると思います。
皆さんのこれからの活躍を期待しています。