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常葉大学・短期大学部 開学記念式典

大勢の方にお越しいただいた、開学記念式典

常葉大学の開学を記念し、静岡市市民文化会館にて
開学記念式典を開催いたしました。

400名を超える企業、高等学校、同窓会・後援会の皆さまにお越しいただき
とても良いスタートを切ることができました。

西頭学長からの式辞をご紹介いたします。


 三つのキャンパスを取り巻く富士山や南アルプスの山々が新緑を帯びるこの季節に、県内外から多数の来賓のご出席のもと、常葉大学の開学記念式典を挙行することができました。関係者の一人として言葉に尽くせない喜びを感じております。同時に、今回の三大学の統合に至るまでの、多くの方々の熱意とご尽力に対して、改めて感謝を申し上げます。
 平成25年4月1日、新生「常葉大学」が発足いたしました。本学は、教育学部、外国語学部、造形学部、法学部、健康科学部、経営学部、健康プロデュース学部、保健医療学部、社会環境学部、そして保育学部の10学部に短期大学部を加えて11部局からなる、県内最大の私立総合大学として船出しました。この記念すべき門出に臨み、私は新大学の運営方針、並びにその使命について若干、述べたいと思います。
 
 新生「常葉大学」は、三つの教育理念つまり「知徳兼備」「未来志向」「地域貢献」を掲げております。「知徳兼備」は本学園の創設者・木宮泰彦先生の教育哲学を凝縮したものであり、常葉教育の原点とも云うべきものであります。そして、「未来志向」と「地域貢献」は21世紀を展望し、同時に本学の成立基盤である地域社会の共に生きる決意を示すものであります。統合の母体となった常葉学園大学、浜松大学、そして冨士常葉大学は、創設以来、地元の学生を教育し地域に定着させてきました。つまり、三大学は地域と共に歩み、地域と共に発展してきたのです。私は、これらの実績を継承し、さらに大きく拡充していきたいと考えております。つまり、足元の地域社会をしっかり見つめることが本学の最大の使命と考えております。

 ところで私は、教育理念を教育の場で実現していくことは大変難しい問題だと認識しています。これまでの多くの大学改革では、教育理念はあくまでも理念として留めおかれ、改革そのものは理念とかけ離れて独り歩きをしているケースが多かったからです。「理念なき改革」や「単なる思いつきの提言」により、教職員の莫大なエネルギーが浪費されてきた側面がありました。

 本学でも、「三大学の統合効果を活用した地域貢献のあり方」について、随分議論を重ねてきました。ちなみに、本学の三つのキャンパスは最大で約120キロメートルも離れており、スケール・メリットの発現は容易なことではないからです。私は、この問題を解決するには、「理念と実践の一体化」をモットーに、教職員、並びに学生が一致協力して足元の生の問題について議論をして、出来ることから実行に移す以外に方法はないと思っております。現在のマクロ的な政治経済状況や地域問題の深刻さを考慮すると、地域貢献は緊要な課題であり,一刻の猶予も許されないと考えるからです。
 その際最も重要なことは、地域社会との密接な連携が不可欠だということです。静岡県をはじめ地方自治体、地域住民、さらに後援会等の本学の関係者の皆様との密接な連携如何が「問題解決のカギ」だと思っております。新生「常葉大学」の船出に当たり、皆様のご支援とご協力をお願いしたく存じます。
 次に私は、三大学の統合を契機に、本学が地域社会に対してどのような使命を果たすか、を4点に纏めて申し上げたいと思います。
 第1の使命は、「地域社会の人的な基盤を支え、地元経済の牽引車になる」ことです。繰り返すまでもなく、国内産業の空洞化や地域社会の崩壊は進展しており、静岡県経済もその例外ではありません。常葉大学は、引き続ぎ地元学生の教育を重視し県内に定着させることで、人的基盤を支えて地元経済の牽引車としての使命を果たしたいと考えております。
 第2の使命は、「人々の繋がりを強めて、地域コミュニティの復活に貢献する」ことです。イギリスの歴史家エリック・ホッブズボームは、20世紀を詳細に分析して、世界的に伝統的社会が解体し、世代間を結ぶ社会的装置が必要だと主張しています。常葉大学は、多様な教育研究資源、並びに約8千人の教職員・学生を投入して、地域コミュニティの復活に貢献する決意です。
 第3の使命は、「多様な課題に取組める人材を生み出し、21世紀知識基盤社会に寄与する」ことです。21世紀中頃までには知識基盤社会が到来するといわれ、創造的な人材育成が不可欠となっています。常葉大学は、技術革新(イノベーション)を生む人材を育成して、地域社会に寄与したいと願っております。
 第4の使命は、「大学改革を滞りなく進めて、教育面から地域改革のプロモーターの役割を果たす」ことです。予測困難な時代にあって、この閉塞状況から脱却するには大胆な改革を進める以外に方法はありません。常葉大学は三大学の統合を機に、もてる改革力をさらに発揮して、地域改革のプロモ―タ―になる決意です。

 最後に、今から67年前の「ひとコマ」を紹介して、私のご挨拶を締めくくりたいと思います。
 常葉学園の創設者・木宮泰彦先生は、静岡女子高等学院の『設立趣意書』の中で、戦時中勤労動員によって勉学の暇もなかった若き女性の向学心に応えたい、と開学への熱意を述べておられます。また、先生の自伝、『木宮泰彦 その生涯と業績』に、昭和21年6月8日の土曜日、午後1時から浅間神社の大奉拝殿で行なわれた開校式の様子が描かれています。その一節を引用します。

 「この日、空はよく晴れ渡って一点の雲もなく、薫風香るすがすがしい好天気であった。多数の名士の臨席を得て、若く美しい238名の新入生を迎えて華々しく開校式が挙行された。」

 私には、当日の木宮泰彦先生の満面の笑みと、その前に整列した10代後半の238名の乙女たちの向学心に燃えた、輝く瞳が目に浮かぶようです。常葉教育のスタートの一コマです。
 そして、約半世紀を経た本日、常葉大学は大きく成長して、21世紀の地域社会の構築に向けて旅立ちました。新生「常葉大学」と地域の人々の前途を大いに祝福して、門出の挨拶といたします。ありがとうございました。

                           薫風香る、平成25年4月23日  常葉大学長 西頭 德三