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学長室ブログ

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平成25年度 常葉大学入学式

第1回 常葉大学入学式

常葉大学としての初の入学式が4月6日に開催されました。
学部生1850名、研究科生36名、3年次編入生5名の総勢1891名の新入生。
西頭学長からの式辞をご紹介します。


 本日、常葉大学は,第1回目の入学式を挙行することができました。本日の入学式には、学部新入生1,850名、研究科新入生36名、そして3年次編入生5名の総勢1891名が列席されています。常葉大学の教職員一同は、御来賓の方々や新入生の先輩たちと共に、この日を心待ちにしていました。まず、常葉大学を代表してお祝いの言葉を送ります。ご入学おめでとうございます。ご家族の方に心よりお喜び申し上げます。

 本学は、新年度を迎えた4月1日、常葉学園大学、浜松大学、そして冨士常葉大学の三つの大学を統合し、常葉大学として新たな門出をしました。本学は、10学部19学科からなる静岡県内最大の私立総合大学に生まれ変わりました。したがって、入学式が行なわれた今日という日は、新入生の皆さんにとって大学生活を始める記念すべき日であり、長い人生で忘れがたい日になることでしょう。他方、私たち教職員にとっても、新生常葉大学のさらなる発展に向けて決意を新たにする、心引きしまる日となりました。
 
 そこで私は、1891名の入学生の皆さんの人生、及び常葉大学の発展の双方に大変重要と思われる二つの事柄に絞りお話したいと思います。時間が限られていますので多くは語れません。ポイントのみお話します。

 一つ目は、新生常葉大学は何を目ざすのか、なぜこの時期に統合したのか、という関心の高い話題です。まず常葉大学の目標について結論のみ申します。私たちの決意は明確です。これまで以上に地域に目を向け、地域の発展に寄与していく覚悟です。次に、なぜこの時期に3大学統合という道を選んだのか、その背景について述べます。
 
 わが国の大学の歴史を振り返りますと、大きな大学改革は三回行なわれました。最初は約140年前の「明治の大学改革」です。二番目は65年前の「戦後の大学改革」、そして三番目は現在進行している「平成の大学改革」です。
 
 ところが、はじめの二つ、明治と戦後の改革と現在進行中の平成の改革を比較すると、その背景は全く異なっているのです。もう少し具体的に申し上げましょう。明治の大学改革では、欧米先進国に追いつき追い越せという、明治新政府の「富国強兵策」に沿って、欧米先進国の大学をモデルとして、東京大学の前身校、帝国大学が設置されました。また、戦後の大学改革でも、焦土と化したわが国の戦後復興とそのための人材育成を目ざして、アメリカの大学制度が直輸入されました。そして、各県毎に旧制高校や旧制専門学校を統合した国立大学が設置されました。当時、大多数の国民は大学改革の行方に熱い視線を注ぎ、多くの若者は大学進学を夢見て日夜勉学に励んだのです。

 しかし、現在進行中の平成の改革には、明治と戦後の改革にあった、政府の強力な政策的後押しもなく、海外には改革モデルも存在せず、一般市民の支持も以前より希薄と云えましょう。特に、国政レベルで、強力なスローガンが打ち出されていないのは深刻な問題です。改革に携わる多くの当事者は、暗闇の中を手探りで歩きながら、常に不安感に襲われているに違いありません。このような改革環境の著しい変化は、常葉大学の創設にとって、大変重要な意味をもっています。
常葉大学はこのような時期に3大学統合・2学部創設に踏み切ったのです。これまで地域と共に歩みながら積み重ねてきた3大学の実績を、常葉大学というひとつのまとまりのある力で引き継ぎ、今後の地域の発展に活かしたいと願ったからです。その意味で、私は、常葉大学の動きは全国から注目されている、と伺ったことがあります。

 二つ目は新入生の皆さんが新生常葉大学でどのような方向で勉強に取り組むか、という話題です。これは先に常葉大学の目標と深く関わっています。結論のみ申します。「対話力」を高めことを目標にして下さい。また、若干、社会的な背景について説明します。
 21世紀は、大変耳慣れない言葉ですが、「知識基盤社会」になると云われています。2013年の現在は、その移行期とも云えます。知識基盤社会とは次々と新しい知識を創造し続けることで、経済的な利益を確保する社会です。新入生の皆さんはこれからの4年間を活用して、知識基盤社会を生き抜く力を養わなければなりません。社会変化が激しい時代にあって、その取組みは早すぎることはありません。
 
 世の中の問題には答えがありません。答えがあるのは学校の試験問題だけです。社会に出た瞬間、皆さんは自分の力で正解を見つけなくてはなりません。誰も助けてくれません。新生常葉大学は単なる知識を多く詰め込むのではなく、答えを見つける力、つまり創造力を高める教育に主軸を移し、それを実践したいと考えています。
 このように云うと、直ちに、創造力を高めるのが大学教育の本来的な役割だ、という反論が返ってくることでしょう。私自身、反省を込めて申し上げると、これまで多くの大学では、創造力に重心を置いた教育を展開してこなかったように思われます。「社内教育」という言葉があるように、採用サイドも、高度経済成長により若者の「受け皿」が健在であったこともあり、大学教育の中身をそれほど問わなかったように思われます。
 創造力とは何か、これは教育の永遠の課題であり、多くの議論があります。この問題をさて置き、私は大学教育という実践の場では、新入生の皆さんが未解決な問題に直面して、その問題に関わりのありそうな人々と対話を積み重ねながら、答えを探し出す以外に方法はないと思っています。

 二つ目の事柄は、新生常葉大学でどのような方向で勉強に取り組むか、という話題でした。その結論として、「対話力」を高めることを目標にして欲しいと云いました。それはこのような社会的な背景の存在と私自身の拙い経験から導いたひとつの助言です。
新入生の皆さんは明日から周囲にいる友人、先輩と後輩、先生方との対話を進めてください。ご家族の皆さんにもお願いします。家庭にあっても、大学生になった子どもを中心に、様々な議論を楽しんで下さい。

 常葉大学統合の狙いは、なかなか将来像を描きだせない地域社会に対する貢献と21世紀に活躍できる創造的な人材の育成にあります。常葉大学での学生生活が素晴らしいものになるよう祈ります。健康に留意して頑張って下さい。
 改めて、ご入学おめでとうございます。

                               平成25年4月6日    常葉大学長 西頭 德三