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社会連携

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登呂博物館の未来をひらくデザイン

時代をつなぐ架け橋となるために

登呂博物館内の一室に貼られたポスター群。その一枚一枚に込められた想いが、地域の財産である登呂遺跡の存在を、はるか遠い昔から現在へ、そして未来につないでいきます。造形学部・ビジュアルデザインコースでは2010年から毎年、登呂博物館・登呂遺跡を授業の題材に取り入れています。学生らは登呂博物館の協力のもと、戦略的にイメージを統合し、わかりやすく発信していくCI※2やVIの計画を実践的に学んでいます。そこで生まれたカタチを館長をはじめ、学芸員やスタッフなど、登呂博物館と共に生きる人たちに対してプレゼンテーションを行うところまでが授業の一環です。活動の目的は、登呂博物館の歴史や文化的な価値を利活用し、地域の活性化に結びつけることです。

受講する学生は杉田達哉教授の指導のもと、2つの課題に取り組みました。一つは、シンボルマークやロゴタイプなどのベーシックデザインを策定し、それをもとにマークやパッケージ・パンフレットなど広告宣伝物のデザインに展開・開発していく試み。そしてもう一つが、登呂博物館が保有する文化的・歴史的な価値を学生が各自で発見し、人々と共感できるようなカタチにビジュアル化していくという内容です。
まず、登呂博物館よりオリエンテーションを受け、デザインの対象を理解することから始めます。「学生には対象となる登呂博物館や登呂遺跡への理解を深め、広く伝えていってくれることを期待しています。まず自分がしっかり理解していなければ、何を伝えたらよいのか、どのような伝え方をすればよいのかも分からなくなってしまいます」と杉田教授は語ります。そして、学生へのオリエンテーションを担当する登呂博物館の学芸員は「登呂博物館や登呂遺跡を知るよい機会になっていると思います。それだけでも意義はあるはずです」と柔和な表情を見せました。
登呂博物館の在り方をデザインで提案

「登呂博物館の使命として、何が一番重要かと問われると、やはり登呂遺跡という財産を後世に残していくこと、伝えていくことではないかと思います。登呂遺跡が彼らの目にどのように映ったのか、作品を見るのが非常に楽しみでした。学生たちはオリエンテーションで得た情報をビジュアル化し、カタチにした。彼らのプレゼンテーションは、本質を外しているものがなく、それぞれに価値を見い出し表現していることに感動しました。私たちがカタチにできないものをこのように表現してくれたことは、『残すこと』『伝えていくこと』を考えていく上で非常に参考になります」と登呂博物館の伊藤館長は目を細めました。
この活動に学生は皆、緊張感を持って取り組みます。登呂博物館関係者の前で発表を行うので、期待に応えるものを創りたいという熱意のあらわれです。プレゼンテーションの方法、期日、クオリティ、定められた表現様式など、実社会におけるルールにも初めて接することになります。
造形学部の学生が、日頃の学びを実践する貴重な機会がここにあります。2015年2月、登呂博物館で行われた考古学会。出席した考古学の専門家たちは壁に貼られたポスターを見て、「多様な視点で登呂遺跡を捉えていておもしろい」と目を見張りました。デザインというアプローチによって登呂博物館の新たな在り方も見えてきそうです。


※1 VI(ビジュアルアイデンティティ):
ロゴマークやシンボルマークなど、CIのなかでも中心的な役割を担う要素のこと。
※2 CI(コーポレートアイデンティティ):
企業が自らのイメージを統一し、分かりやすいメッセージの形として発信すること。