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減災/池田浩敬教授

本学社会環境学部長の池田浩敬教授の記事が、静岡新聞に掲載されました。
以下、9月22日(日曜日)静岡新聞の記事です。

減災

これまで、地震に備えた老朽木造住宅の耐震化は、個々の世帯の問題として捉えられ、所有者個人に対する意識啓発、情報提供、経済的支援といった施策がとられてきた。
しかし、行政が住民一人一人に働き掛けて意思決定を促すのには限界がある。
一方、実際の人々の意思決定は、周りの人々の意見や行動に大きく左右される。はやりのお店には行ってみたくなり、“みんながやっている“と言われると心配になって、一人だけ別のことをし難くなるのは世の常である。
そこで、こうした心理を活用し、“まちぐるみ”で住宅耐震化を進めようという取り組みを行っている。私のゼミが主体となり、静岡県建築安全推進課、三島市建築指導課、市内の自治会、市木造住宅耐震補強推進協議会などの協力を得て、地域ぐるみで住宅耐震化を進めるためのワークショップを2010年から毎年実施している。
ポイントは、耐震化が必要な住宅に住んでいる人だけでなく、それ以外の住民も一緒になって、まち全体として取り組む必要性を認識してもらうことである。
地震時の住宅倒壊は、住宅被害に伴う火災の発生や道路閉塞、要救助者の増加に伴う消防活動需要の増大による他の消火活動への悪影響など、地域全体のリスクを高めてしまう。
こうしたことを理解してもらった上で、地域として取り組む方法・アイデアも検討してもらう。
具体的には、自治会など地域コミュニティーを活用した情報提供や補強事例の普及などが提案された。
ワークショップを実施した自治会では、耐震補強や建て替えの増加などの成果を上げている。こうした取り組みを他の地区にも広めていくことが課題である。